転がるように愛して。
比喩でもなんでもなくて
この感覚は、
しっかりと、
時がとまっている
まさにその感覚
あの日、あの出来事から、
そんなつまづきがあるわけではなくて、
ただ、ゆっくりと、とまってしまった
とまってしまった
ことを、
理解するのに時間はかからない
けれど
とまってしまった
ことを、
理解したら
わたしはじぶんを愛せなくなった
夢中になって
ただ前にあるぴかぴかするものめがけて
ひた走ることは
じぶんを愛せないわたしには
幻想みたいな、もの
転がるように 愛したい
転がるように 愛してあげたい
ほんとうは
転がるように 愛して欲しい
*
中村佳穂 / リピー塔がたつ